今回は「契約不適合責任」に関してご説明させていただきます。
契約不適合責任とは、商品の品質、種類、数量が契約内容と違っていた場合、売主様が買主様に対して負う責任をさします。
契約不適合責任のポイントとは「契約内容」と相違のある不動産を売却したときに問われる責任であるという点です。
不動産の場合は、数量や種類が契約内容と異なるケースは少ないと考えられ、売却の際に気を付けたいのは、おもに経年劣化などによる「品質」の部分でしょう。
たとえば、屋根に損傷があって「雨漏り」のする中古住宅を不動産売却するとします。
このとき、売買契約書に雨漏りについての記載があり、買主も説明を受けて了承していれば、一般的には契約不適合責任が問われる可能性は低いでしょう。
しかし、売買契約書に雨漏りの記載がなければ、追完請求を求められることも考えられます。
そのため、不動産売却をするときには、契約に適合しているか、瑕疵が契約書に記載されているかを確認することが重要です。
不動産売却においての契約不適合責任の対象としては、ほかにも、劣化した水道管からの水漏れや基礎の腐食、シロアリによる侵食などのほか、建物の不具合といった欠陥も含まれます。
買主様が請求できる5つの権利
契約不適合責任には買主保護の側面があり、契約内容と異なる不動産の引き渡しを受けた買主様には5つの権利が認められています
。
①追完請求
追完請求とは、購入した不動産が契約内容に適合しない場合、適合するように求めることができる権利です。
追完請求では、買主様が「補修」「代替物の引き渡し」「不足分の引き渡し」を要求することができます。
②代金減額請求
代金が後から減額される請求が、代金減額請求です。
追完請求で補修されなかった場合やそもそも補修が不可能といったときに、買主様が請求できます。
③損害賠償請求
契約不適合責任においての損害賠償請求は、「過失責任」とされています。
④催告解除
売主が追完請求に対応しない場合、買主様には催告して契約解除する権利が認められています。
たとえば、代金を減額されたとしてもその不動産には住めないといった場合など、購入を取りやめる催告を買主様から売主様に行い、契約をなかったものとして扱える権利です。
⑤無催告解除
契約の目的が達成できないケースでは、催告を必要とせず、契約解除が認められています。
また、契約不適合責任の原因となる帰責理由が買主様にある場合は、これら5つの権利を行使することはできません。
※法改正によって契約不適合責任が定められる前は、瑕疵担保責任が用いられていました。
瑕疵担保責任では買主様が知り得ることができない隠れた瑕疵を責任の対象とします。
瑕疵担保責任で責任を問われる基準が「隠れていたかどうか」である点が、契約不適合責任とは大きな違いといえます。
また、買主様が請求できる権利にも違いがあり、瑕疵担保責任は「契約解除」と「損害賠償請求」だけだったところ、契約不適合責任では前述で紹介した5つの権利に拡充されています。
ただし、損害賠償責任については、契約不適合責任の場合は故意や過失のときのみとする過失責任であるのに対し、瑕疵担保責任は故意や過失ではない場合にも責任を負う無過失責任であるという点も両者で異なります。
最後に
中古物件の売却などで契約不適合責任について不安な方は、知識や実績が豊富な不動産会社に依頼するのがおすすめです。
弊社でもご相談や売却依頼を受け付けておりますので、安心して不動産売却ができるお手伝いをさせていただきます。
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