不動産を購入される際に都市ガス、プロパンガス、オール電化のどれにすれば良いか迷う方も多いでしょう。
また、今後の不動産は「デジタル田園都市国家構想」によって、大きく変化してくることが予想されます。
元々、2015年からスマートシティに付随したスマートハウス計画が構想されていましたが、岸田総理の政策により大きく変貌していくことになると考えてられます。
スマートシティに日本が大きく乗り出した際、オール電化は免れません。
その際、都市ガスやプロパンガス、特にプロパンガスへの影響は大きなものと言えるかもしれません。
現在の政治的背景も踏まえて、それぞれのガスの未来と効果、注意点についてお話させていただきます。
都市ガス、プロパンガス、オール電化のそれぞれの特徴
【都市ガス】
都市ガス事業は、主として輸入した天然ガスを、ガス導管を通じてお客様に供給する事業です。大手都市ガス会社には東京ガスや大阪ガスがあり、他にも200社を超える地方の都市ガス会社や自治体が運営する公営ガス事業者があります。都市ガスは料金設定がシンプルで安いのが特徴と言えます。都市ガスの供給については、業界の構造が大きく変わりつつあります。まず、都市ガス小売全面自由化により電力会社が都市ガス事業に参入しており、電力会社から卸供給を受ける形でニチガスなどのLPガス会社なども参入しています。「電気とのセット販売」などが行われており、競争激化が予想されます。都市ガス会社は東京ガス系のライフバルなどのように、ガス工事やガス機器販売を行う店舗などの事業所を系列化し、ユーザーと営業の接点を持っているため電力会社よりも営業力があることが強みといえます。
【プロパンガス】
プロパンガスは各家庭に個別でボンベを設置します。プロパンガスは地方での普及率が高く、日本全国でおよそ半分の世帯で使用されています。また、プロパンガスは産業用として最も使われているエネルギーでもあります。工業で強い火力を必要とする加工などに多用されています。東日本大震災以降は、火力発電の割合が増えつつありますが、この発電にもプロパンガスが使われています。また、プロパンガスは専門業社が各家庭に設置する仕様になっているため、都市部から離島まで幅広く導入できるメリットもあります。導入時のコストについては月々の料金に加算し分割して支払います。
プロパンガスの場合、大地震があったとしてもトラックが通ることができれば配達も可能であるため、緊急事態に対して柔軟な対応を行うことができます。
新築の場合など、プロパンガスの配管工事と同時にガス給湯器など機器の購入も必要になりますが、これらの費用をサービスする無償貸与という方法があります。ですが、実際には無償ではなく、15年などの長い期間、ガス料金に上乗せし分割払いにされているリースやローンと同じようなものです。そのため、15年経たずにプロパンガス会社を変更しようとすると、違約金が発生することになります。
配管工事費用を含め、ガス機器その他の設備機器丸ごと無償でサービスという言葉につられてしまうと、実際にはその費用を入居者のガス料金に上乗せされて請求されるため「ガス代が高いアパート」のレッテルが張られることになります。
【オール電化】
最後にオール電化についてご紹介します。
オール電化はガスを利用していたキッチンコンロや給湯器、暖房などの料金を電気料金として一つにまとめることができます。
支払いの手間が省けますし、ガス代の基本料金分を節約できるメリットもあります。
また、小さなお子さんがいるご家庭の場合、不注意で火事が起きたり火傷をしたりしないか心配な方も多いはずです。オール電化はガス使用時に比べるとそのようなリスクを大幅に減らすことができます。
また近年オール電化用の調理器具もたくさん種類がございますので、調理の質も問題ないといえます。
都市ガス、プロパンガス、オール電化のそれぞれの欠点や注意点
【都市ガス】
導入したくても近くに導管が通っていない場合、設置工事の費用は自己負担となりますので注意しましょう。また、大規模な災害が発生したとき、都市ガスは復旧スピードがプロパンガスに比べ遅くなります。経済産業省が東日本大震災における被災3県(岩手・宮城・福島)での各インフラの全面復旧日を調査、発表しており、都市ガスは全面復旧に約1ヵ月半を要しました。プロパンガスが1ヵ月間なのでおよそ2週間ほど多くかかったことになります。
【プロパンガス】
プロパンガスは普段の利用料金が高い傾向があります。また、最も事故率が高いのがプロパンガスです。そのため、ガス警報器を設置する、換気をこまめに行うのなど、プラスアルファの設備出費も頭に入れておいた方がいいでしょう。また、プロパンガスを扱っている会社は、全国で2000社程存在しますので、ガス会社の選択を誤ってはいけません。安いから、というだけで選んでしまうことのないようにサービス形態や保証、また実績などをくまなくチェックしましょう。
【オール電化】
オール電化は導入時に50万円~100万円程度の予算が必要になります。ガス料金が電気料金に一本化されるので皆様安くなると思いがちですが、注意が必要です。
オール電化向けの電気料金プランは、深夜の時間帯の電気料金は格安でも、日中の電気料金は高額な料金設定が多いです。いくら深夜に電気が安くなるといっても、お子様が起きている日中や、日中誰かが自宅にいる、など各家庭によってさまざまなライフスタイルがあります。オール電化住宅にしてかえって電気代が高くなってしまったというケースも少なくありませんので、ご自身の生活にそもそもあっているか確認しましょう。